長野県松本市にある日本ヴァイオリン松本店で行われた展示会"継承と創造〜引き継がれてきた名器と今を生きる日本製作家の楽器展"も無事に終わって佐久の実家でゆっくり展示会の事を振返ってます。
まずは展示会にご来場くださった皆様、誠にありがとうございました。
色んな方々にハーディングフェーレを見て頂けて嬉しかったです!
今回出展のお声がけ頂き、クラシックでもバロックでもない民族楽器で参加して良いのだろうか?と不安もありました。そもそも展示会に参加すること自体滅多になくて、日本のヴァイオリン職人さん達と並んで参加するのは今回初めてで、ほとんど初めましての方々ばかりでしたが、皆様本当に気さくで優しくて、楽器にも興味持って下さって安心しました。
ヴァイオリン職人の道から入り、ハーディングフェーレを学んで改めて感じた事は、ヴァイオリン製作の難しさです。ハーディングフェーレはその見た目の華やかさで凄いと言われるのですが、反面多少の粗さがあっても目立たなかったりします。
もちろん私はそれで誤魔化そうとはせずちゃんと細部に拘る…様に心がけて作っています(笑)
ただ、ヴァイオリンは見た目のシンプルさの中に完成された美があるので、その分職人の技術がはっきりと見えてしまいます。
今回皆さんの楽器を拝見していて、(こっそり試奏もさせて頂きました)改めて日本製作家の技術の高さを目の当たりにしました。十人十色のこだわり、試行錯誤、はっきりと言葉で表すのが難しくても作品を見ると、しっかり感じることが出来ました。そして音色も本当にそれぞれの良さがあって、凄いなぁと感動しっぱなしで、どれも素晴らしい作品でした!という事を直接職人さん全員に伝えなくては行けなかったのですが、「あ、そういえば一部の人に感想ハッキリ伝えてなかった…」と帰りながら後悔してました。
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そして今回風変わりな楽器として取り上げられたヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ(肩掛けチェロ)、ヴィオリーノ・ピッコロとハーディングフェーレ。製作者の高倉さん、中林さん、私と司会の職人吉田さんの4人で行ったイベントも凄く楽しかった!打合せでは、そんなに話すことが…と不安そうでしたが、ふたを開ければ予定時間をオーバーするほどであっという間に過ぎてしまいました。高倉さんの肩掛けチェロの背景や日本に広める想い、中林さんのオリジナルのピッコロを完全再現の熱量など
これだけで一日イベント作れるくらいまだまだまだまだ話せたと思います(笑)
裏話ですが、初日に肩掛けチェロとピッコロが弾けるお客さんとしていらしていたヴァイオリニスト疋田櫂さんのご意見でピッコロの駒のアーチを平目にした方が好ましいとの事でハーディングフェーレくらいが理想の様で、二日目の朝に急遽中林さんが駒調整をする一幕もありました。疋田さんの演奏技術と知識量が凄くて聞いててきょとんとする事も…(笑)
楽器の試奏会では東京芸術大学3年生の春原丸人さんの演奏で各職人さんたちの楽器の音色を披露して下さいました。弾き手の感想と職人さんより製作への想いなど語ってくださいました。初日に私は共鳴弦付きのヴァイオリンを試奏して頂いたのですが、異質だったせいかかなり戸惑わせてしまって本当に申し訳なかったです(苦笑)でも後程春原さんとお話していて、あの後ハーディングフェーレの音源をご自身で調べて下さったそうで、そのお気持ちもとても嬉しかったですし、こうした珍しい楽器に触れられる機会があって良かったとも言ってくださって…お優しい。実はこの共鳴弦付きのヴァイオリンはそもそもハーディングフェーレからの派生として作り上げたもので、本来は北欧音楽や民族音楽向けを想定して作っていました。もちろん気に入って頂ければクラシックでも何を弾いてもらって歓迎です。実際この楽器を以前試奏して下さったクラシックを演奏する方々は気持ちよさそうに弾いていらっしゃったので、今回試奏して頂くうえで特にどういった曲が好ましいかなどリクエストは出さなかったのですが、それが行けなかったと反省…春原さんとお話していて、ではどういったクラシック曲であれば合うのか尋ねた所バッハは合うかもしれませんねと。それと私が先日演奏を聴いたハーディングフェーレでのテレマンの楽曲の事をお話したら、そちらも合うかも、と。以前購入された方も古楽をされる方でしたので、また同じ機会があればその辺り参考に出来たらと。
改めまして素晴らしい演奏をして下さった春原さん、ありがとうございました♪
あ、因みに2日目は私自らハーディングフェーレを弾きました(笑)
工房実演では装飾指板の製作の様子をご覧頂きました。途中質問を頂いたり談笑しながらのんびりやりました。名器の音色が終始響き渡る店内で作業するのもまた新鮮でした。一人女の子が装飾のキラキラが気に入ったのか終始僕の作業の様子を見てくれて、可愛いアシスタントでした♪
弓職人の鎌田さんの弓も毎度ながら素晴らしくて、公演も初日の歴史のお話を途中から聞くことが出来ました。ちょっと改めて資料読みながら学びたいと思います。やはりバロックタイプの弓の方がハーディングフェーレの共鳴弦は活かされますね~弾いてて気持ちよかった♪自分の演奏用に欲しい。お金貯めないと(笑)
松本に前乗りして、前のりメンバーと夜ご飯行ったり、初日の終了後の打上げではお店のお父様がそばを打って下さって、それがまた美味でした!ご本人は今回はいまいち…と仰ってて、職人でした。ご馳走様でした。2次会も楽しくて、もっとたくさん色々お話したかったなと寂しさを感じます。
ご一緒した職人の皆様、サポートして下さったスタッフの皆様、日本ヴァイオリン松本店様、誠にありがとうございました!
初日の集合写真♪※許可頂き掲載させて頂いております。
後ろの黒の集団がなんかうるさい(笑)
初日朝散歩で松本城へ。松本も良き場所でした。今度はゆっくり伺いたいです。
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